だらだらかきかき

「えぇっ！？今日は大佐と相部屋なのぉ…？」


久々の宿なのに、なんて不満を言っていると、部屋の組み分けを行ったガイが苦笑するのが見えた。それに対して更に頬を膨らませて怒ると、本当にすまなさそうに謝った。

一晩だけだし――こんな事で怒るなんて心の狭い人間のように思えて、謝っているガイにニッコリと微笑むと口を開いた。


「まぁ、仕方ないなぁ。一晩だけだし、今日は我慢するよ。でも、次はないからね、ガイ！」


そう言ってガイに背中を向けると部屋に向かってアニスは歩き出す。それを見ていたガイは再び口を開いた。


「やれやれ……旦那なら大丈夫だと思ったんだけどなぁ」
「アニスも思春期の女の子だから…色々と複雑なんだと思うわ」
「そうか。まぁ、何だ…これからは気をつける事にしよう。でも、いくらなんでも旦那もあんな純情な女の子に手を出そうとなんて思わな…」
「そうですか？穢れていない物を穢すのは、楽しいと思いますがね」


仲間達の空気が一瞬にして凍りついた。ティアに至ってはもはや声すら出ない。そんな仲間達の様子を見ていたジェイドは再び口を開く。


「別に私はアニスの事だとは一言も言ってませんが…」
「な、なんだ、そうだよな。いくら何でも旦那がアニスに手を出す筈ないもんなぁ！」
「…さぁ、どうでしょうね。多分手を出しませんよ。多分ね」


アニスの後を追って部屋に向かうジェイドの背中を、仲間達はただ見つめることしか出来なかった。






変態佐の意味深発言(笑)