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2024年05月12日
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クリスマスですね。

2009年12月24日
クリスマスが今年もやってくるー!!
今年こそ何かやりたいと思っていたんですが無理でした。でも意地でもやろうと思ったので……この日記を読んだ人にだけ特別に…フリー小説なんてプレゼントしてやろうじゃないか!みたいな事を考えました。
なので興味のある方のみどうぞ。そして、持ち帰りたいなんて思ったら持ち帰ってやって下さい。報告はいりませんが、あったら嬉しいです。あ、CPはジェイアニです…いや、皇帝陛下もいます。

では、続きからネタとなります。


仕事がある――そう言ってジェイドが宿から出て行ったのは、ほんの一時間前くらいだった。


「…で、俺に愚痴を言いに来たのか」
「愚痴なんて言いませんよぉ…ただ、陛下は暇かなーって思ったから来ただけで」


そうだ。仕事と私どっちが大事なの!?みたいな事、言える筈がない。そんな事を言ったらジェイドだって困るに決まっている。自分でも言われたくないのだから当然だ。

ぶつけられない、どうしようもない気持ちをどうにかしたくて、ジェイドの代わりの相手としてマルクトの皇帝陛下の元へ来ただけだ。それを察したピオニーは、自室の棚から瓶を一本取り出すとこちらへ見せる。


「せっかく来たんだから、何かおもてなししないとな。…これなんてどうだ?」


それはどう見てもシャンパンで、子供が飲んで良いような代物ではない。ここは真面目にしておかないと後でジェイドに怒られてしまう。そう思い、ピオニーに向かって口を開いた。


「陛下…まだ未成年なんですけど…」
「こういうめでたい時くらいいいだろ?俺が許可するから、飲めよ」


メイドに頼んでグラスを二つ用意して貰い、ピオニーはそれにシャンパンを注ぐ。本当は飲んではいけないのだが――少しばかり飲んでみたいという好奇心に負けてグラスへ手を伸ばしてしまった。

シャンパンが予想していたよりも美味しかった事も手伝って、一杯でやめようと思っていたのにも関わらず何杯も飲みほしていく。だが、普段から体内に入れないアルコールが入ったせいか、身体が熱く、フラフラする。そんな自分の様子を見ていたピオニーは口を開いた。


「おっと…そろそろジェイドの仕事も終わる時間だな。アニス、迎えに行ってやれよ。ジェイドの奴、喜ぶぜ」


普段ならそんな事を親切に教えてくれるピオニーに対して疑問を抱くのだが、酔っていた事でまともな考えが出来なかった。その言葉に素直に頷いてから立ち上がると、私室を出て軍本部にあるジェイドの執務室へ向かった。

*  *  *


面倒な執務を終えて、帰る準備をしようかと立ち上がった時、執務室のドアがノックもなしに勢いよく開かれる。突然の出来事に驚いていると、そこには足取りが覚束ない様子のアニスが立っている。


「…アニス?」


宿にいる筈のアニスがここにいる事を不思議に思い名前を読んでみる。すると、アニスはこちらへ向かって歩き出した。だが、覚束ない足取りの為かよろけて転びそうになる。慌ててアニスの身体を支えると、顔を上げたアニスが笑ってこちらを見つめた。その顔は、明らかに酔っている。酒を飲んだのだと瞬時に推測した。


「えへへ…大佐ぁ、何かふわふわしますねぇ」
「一体どこに行ったら貴女みたいな子供に酒を出してくれるんですかねぇ?ねぇアニス」


普通の酒場に行ってもこんな子供に酒なんて出す訳がない。だとすればアニスと知り合いである他の誰かなのだろう。嫉妬の意味合いも込めてそう告げながらも、どうにかしてソファーで休ませようと小さな身体を引きずる。

もう少しでソファーへと辿り着く頃になって、急にアニスが身体を押した。まさかアニスがそんな事をする筈がないと思っていた為に、よろけてしまう。そのままソファーへと倒れ込むと、身体の上にアニスも乗って来た。その目は、酒が原因なのかどうかはわからないが熱に浮かされている。


「大佐…」


その目を見た瞬間――普段なら抵抗する筈なのに、動けなくなる。その間にもアニスの顔が近付き、吐息がかかる距離まで近寄られる。近くで見た時に、自分が何故動けなくなったのかを理解する。その目は、熱に浮かされているだけではなく欲をも含んでいる。

「…好き」

そっと囁くように告げられる愛の言葉に、自分が酔ってしまいそうになる。だが、アニスの目を見ると、ふと正気に返る。

普段は子供扱いをしているアニスがこういった目をすると、どうしたらいいのかわからなくなるのだ。学問の世界で言えば、アニスは思春期で、大人と子供の境界線に立っている。だから大人な部分が少し見えるのは当たり前だと片付けてしまえる。

だが――境界線に立っているからこそ、困る。子供として扱って「まだ早い」と告げるのが正しいのか、それとも大人として接してしまうのが正しいのか。わからないから、結局未だに手を出せずにいる自分がいる。だが、手を出さずにいられるのはアニスが自分から迫ったりしないからだ。

今日は、アニスから迫っている。この状況なら――どうなるのだろうか。


「ん…」


唇が触れあう。その口付けはどこか遠慮がちで、慣れていない事がすぐにわかる。啄むように、唇はすぐに離れては再び触れる。暫く続けられているうちに、自分も酔ったかのように身体が熱くなった。

事が終わるまでは手だししないように我慢しようと考えていたのだが、こうなると我慢出来そうにない。上に乗るアニスを抱き締めて、更に深く口付けようとした時――急にアニスの動きが止まった。


「アニス…?」


動きが止まってからすぐに、アニスがくたりと身体を預けてきた。ゆっくりと確認すると、僅かにではあるが寝息が聞こえてくる。どうやら、酔った事で眠気を誘い、眠ってしまったようだ。

これからだと思っていたのにも関わらず一人取り残されてしまった。そう思うと深い溜息を吐く。だが、やがて諦めて自分の身体の上で眠るアニスの髪をそっと梳いてから、撫でる。


「こんなに寝心地のいい場所を貸しているんですから…駄賃くらいは貰っても構いませんよね」


そう呟くと、撫でた部分へと唇を寄せて口付ける。そして、起こさないようにそっとアニスを抱き上げると執務室を後にした。








…終わり、です。陛下がアニスに飲ませたのは、きっと手だし出来ない奥手ジェイドの為の策略だと思います。
拙いもので申し訳ありません。お粗末様でしたー!!
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Comment
無題
ジェイアニ楽しませて頂きました!
本当は持ち帰りしたかったのですが、なにぶん携帯ですので(^_^;)
アニスの誘惑キますよねー!揺らぐ大佐も萌えますし♪
ありがとうございました!MERRY X'mas!
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